今になって分かったかも

もうちょっと前になります。車を買い換えて一年経たないくらいの時です。忘れもしません。年が明けて成人式の次の日でした。

娘と買い物に出かけた帰り道での出来事です。私の家は田舎なので、何処へ行くのも山を越えないと街と言われるところに行けないのですが、その帰りで山道を下っていました。

「たまにはいつもと違うお店に行こう」と決まり、普段は行かない方角のモールに行き、買い物を楽しみました。「そうそう、唐揚げが美味しくて有名なとこがあるから、そこで唐揚げを買って帰ろう」と寄り道をして、「唐揚げ楽しみやな」なんて話しながら、長い下り坂の大きな右カーブに差し掛かった時です。「えっ!うそやろ!」二人で叫びました。

私の走る車線の対向車線から、オレンジ色の軽自動車が上り道をすごい勢いで走ってきます。逆走です。このままではぶつかります。左に逃げようとしても、30センチくらい高さのある歩道の段があります。逃げられません。とにかく急ブレーキを踏んで、左ギリギリに止めることが出来ました。『あとはどうか止まって!』と心の中で祈りました。

迫ってくる車を見ると、運転している女の人と目が合ったような気がしました。相手の車は少しもスピードが落ちません。なんなら少しスピードが上がったように感じました。「きゃーっ!ぶつかる!」手を顔の前でクロスさせてぶつかる衝撃に備えました。

ドン!と身体が後ろに下がって、次に前に倒れました。横を見ると、ぶつかってきた車は、回転して進行方向を逆にした状態で山の壁にぶつかって止まっていました。

その後はもうパニックになり、警察呼ぶのにも場所をうまく伝えることが出来ないし、救急車が来ても怪我はないのに震えがとまらないし、腰が抜けて車から降りることが出来ないしで、訳がわからないまま病院に連れていかれました。検査を受けると、肋の骨が一本折れている事に気が付くような感じで、夜遅くに家に帰り着きました。車は全損でした。

逆走していた相手が完全に悪いので、保険を使うこともなかったのですが、不思議なのは、「何故、逆走していたのか」です。しかも相手は上り、アクセルを離せば速度は落ちるはずだし、ぶつかるの分かっていてブレーキもかけてない。幸い怪我は大した事なく、娘は膝をぶつけただけで済んで、不幸中の幸いとはこの事でしたが‥。

次の日、謝罪の電話がかかってきて、私は「どうして対向車線を走っていたの?」と聞きました。すると彼女は「走ってみたかったんです。」と答えました。「???なんて?」からかわれてるのか?その時は全く理解出来ずに電話を切りました。足首を骨折したらしく母親に連れてられて会いに来た時も、母親は謝罪の言葉もなく、ずっとそっぽを向くような姿勢でいたのが気になっていました。対向車線を走ってみたかった。そんな人がいる事を理解出来なくて、「変な人に当たったんだ」と一応納得していたのです。

前回のブログを読んでいただいた方には、私が何を言いたいのか分かったと思います。彼女が言った「走ってみたかった。」と言うのは、誠実に答えた言葉だったんだと言うこと。走ってみたかった。そう言う人がいるということ。やっと分かりました。ですが、本当のところでは、私は理解出来ていないと思います。分かっただけです。

まあ、唐揚げを買いに行かなければ出会わなかったのかもしれません。ナイスタイミング!そいうことだったのでしょうね。  あの子は大丈夫かな?

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